こんにちは~、アーティストchiguです。
手織りでカシミヤやラムウールのストールを、
オートクチュール刺繡で大人の方のためのブローチを制作しております。
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先日の記事で、家の中の気になっていたことを色々と片付けた、という話を書いた。
このときの「片付けた」は、捨てた、処分した、と言うことではなくて、
気になりつつそのままになっていたものを修理したりすることが中心で、
つまりいろいろとメンテナンスした、ということだ。
自分では出来ないことは業者さんを調べてお願いしたりもした。
そのうちのひとつ、衣服をメンテナンスに出していたものが戻ってきたので
結果をお伝えしようと思う。
ちょっと思い入れのあるコートを、専門の業者さんに黒く染めてもらったのだった。
話すとそれなりに長くなるのだけれどいきさつとしては以下のようになる。
数年前、ハーフコートを古着で手に入れた。
私が昔から好きなブランドのコート。
ミリタリー風で、ポケットがたくさんあって、
ほかにもまったく実用性の無い、でもぱっと見は意味ありげなホックがたくさん付いていたりする
凝ったデザインのものだ。
立体裁断のシルエットも特徴的で、いかにもそのブランドらしい。
実を言えばそれと同じデザインの色違いを20年くらい前に所有しており、かなり愛用していた。
何年も愛用しただけあって、袖のあたりからボロボロになっていき
更には当時、ほんの一時期ではあったもののオフィス向けのファッション中心だったことから
そのコートは合わせにくくなっていて、もう十分着ただろうということで処分した。
そのブランドからはしばらく離れていたが
オフィス向けのファッションは不要になり数年経ったとき
そう言えばあのブランドは今どんな服を作っているのかな、と検索してみたのだった。
今のコレクションですぐに欲しい!というものは無かったが
検索結果のなかに、ボロボロになるまで着たあのミリタリーコートの古着の販売が目についた。
私のはグリーン系のカーキだったけれど、それは色違いでベージュ系のカーキ。
また着たくなって思い切って購入した。
そのブランドの服はあまり数を作らないことやコアなファンがいることから
けっこう古いものでも価格が高いことも多い。
届いたコートはちょっと染みのようなものがあったものの、その為かリーズナブルだったし、
他の状態はかなり良かった。
ラッキーだったと思う。
誰かが今まで大事に保管していたのか。
すごいな。ありがたや。
う~ん、でもそれは色がちょっと難しかった。
単体で見るとなんのことはないベージュに見える。
だが、いざ着ようとすると、その黄みの強く出た褪せたようなベージュは
私の手持ちの服とは何やら合わせるのが難しい。
季節もいつ着たら良いものか、どうもしっくり来ない。
う~ん、雰囲気は好きなのにな、着るのが難しいなんてな。
ベージュなんていくらでも着られるものと思ったのにな。
処分はしたくなかった。
同じブランドでも、その時期にしか作らない傾向ってあって、まさにこのコートがそう。
今はこういうデザイン、あまり作っていないようなのだ。
今だから分かることでさ。
かと言って着ないままクローゼットに吊るしておくのも申し訳ない。
コートとしての使命を果たしてもらわないとねぇ。
そこでふと思い出したのが
仕事でお世話になっている方からしばらく前に聞いた、
服を黒く染めてくれる専門業者さんのことだった。
黒染の専門だから色褪せも起きにくく長持ちするらしいと聞いていた。
聞いた当時もこのコートを染めることがよぎったが、調べて行動を起こすまでに至らなかった。
よし、今度こそ、やろう。
そうすればこのコートを
難しい色でいまいちしっくり来ていないと思いながら着ることも
「この子どうしよう」と思いながらクローゼットに吊るしておくこともない。
まあ、こういうことってやれば早い。
調べて、業者さんの案内通りに送って、支払いをして、待つだけだ。
「手間とコストをかけて、それをやるか」を決めるのに時間がかかっただけ。
さて、1ヶ月ほど待って、黒くなって戻ってきたコートを見て、やって良かった!と思った。
服のことでワクワクしたのは久しぶりかも知れない。
あ、こら、チワワよ、ちょっと、おりて!
箱から出したてでまだ全容を見てもいないんですけど!!
チワワってみんなこうだよ。新しいもの一番のり。
まあそれはいいとして、こちらがbefore。良かった、写真あって。
こちらafter。
濃くなった分、切り替えやポケットのデザインが見えにくくはなっちゃったけど
すごく着やすくなったことは間違いない。
背に一部だけ使われた化繊のパーツだけ黒くならずに残ったが
それもデザインとして良い感じだ。
早く涼しくならないかな、早く着たいな。
これに合わせてマフラー織ろうかな。
お気に入りとまだ一緒にいられる方法、こんなやり方もあったんだな。
今回のメンテナンスWeekでは、今までしなかったことに挑戦した。
そこで思うことがいくつかあったけど、今回は長くなったので、また今度ね。