こんにちは~、アーティストchiguです。
ずいぶん久しぶりの更新だなあ。
やらないと、やらないと、と思いつつ、時間が経ってしまった。
などと言っている時間も惜しいので、本題に入ろう。
今日のお題は、『メンテナンスweekの始まり』。
前回の投稿の終わりに、
『さて、この「買いなおす」とは別の「直す」という選択が私の中に芽生えたのはこのメンテナンスWeekが大掛かりに始まるよりもしばらく前のことだったのだ。
その話を次回、書きます。』
と書いていたので、それを果たすべく。
さて、何が私に「買いなおす」ではなく「直す」の選択肢を芽生えさせたのか。
それは、長年愛用したル・クルーゼの黄色い大きなお鍋だった。

初めて自分で買った、高級なお鍋。
画像の奥に移っている、ココットオーバルのイエロー。
確かこの頃は円高まっただなかで、その還元セールで購入した記憶がある。
その後、大量のポトフやカレー、オーブン料理にと、ずいぶん親密な付き合いをした。
野菜をぎゅうぎゅう詰め込んで、重い蓋に押さえてもらい、弱火にかけてほったらかし。
なんてよくやったなあ。
懐かしいな。
今はどうか分からないが、この鍋に付いてきたル・クルーゼのパンフレットには、
「ホーローは傷んだら直すことが出来るのも良いところです」といったことが書いてあった。
そうか、直してまた使えるのか、というのは使う前から嬉しい情報だった。
その後、長年共に料理を作り続け、内部のホーローはそれなりに傷んだ。
うっかりつけてしまった傷や変色などがあり、これ以上使うのは良くないかもな、というところまできていた。
お直しできるのかな?と、調べてみることに。
だってすごく仲良くやってきたもんね。これからも一緒にいたいよ。
で、調べたところ。
ル・クルーゼのホームページには「日本ではお直しは取り扱っておりません」といった文言が載っていた。
そりゃそうですよ。
重い鍋をフランスに送って、直して、また輸送して戻したら、それだけでいったいどのくらいのコストがかかることか。
現実的とは言えないものね。
なんとなく、それは想像出来ていたような、いないような。
ホーローの剥がれは体に良いとは言えない。
え、お別れなの?!
と言うのは、けっこうな衝撃だった。
すごく気に入っていたんだ。日々意識していたわけではなかったけれど。
新しく同じものを買えばいい、ということでなく、
ずっと一緒だったこの鍋が良いのに。
仕方なく破棄することにしたものの、その時につくづく思った。
日常、よく使うものは、お直しできるものを選ぶべきだと。
使い勝手やら慣れやら思い入れやらで、
案外、他でもいいや、新品にすればいいや、とはならないのだ。
結局次の大きなホーロー鍋は、お直しをしてくれる、という理由で、
日本のバーミキュラを選んだ。
もちろん大切に使うけれど、何かあったら直してくれる。
それってすごく大切なことなんだ。
そんなこんなで、今の私は、手元でよく使うアイテムが何かしらだめになってしまった時、
出来ればお直しして使い続けたい。
もうちょっと突き詰めて言うなら、ものを買うときに「これは何かあったときに直してまで使いたいものかどうか」「お直しできるものか」を基準にしたい。
生活用品のなんでもかんでもそういうわけにはいかないだろうけど、
購入時の基準にはなり得ると思う。
替えの無いお気に入りの革ジャンやらお皿やら腕時計やら直してもらって、リペアのありがたさが心に沁みた。
リペア、という領域は、これからもっと重要視されるのではないかなと思っている。
そうだといいな、という願望もある。
世のリペア職人さんたちをすごく尊敬している。
そして、ささやかなれど、ものを作って販売する立場としては、
誰かが長年愛用できるようなものづくりをしていきたい、と強く思う。