こんにちは~、アーティストchiguです。
オートクチュール刺繍、手紡ぎ&手織りなどなどしております。
先日書いた記事に、湿度が低いせいか紡毛機の様子が・・・という話を書いた。
紡毛機はメンテナンスをしてかなり調子が良くなり、順調に紡ぎが進んでいる。
そしてアトリエにあるMY織機、ルエ社のスプリングも同様にメンテナンスが要だった。
そりゃそうだよね、同じ室内にある木製製品だもんね。
ちなみに紡毛機も織機もラッカー仕上げなので、そうでないものよりも湿度の影響は受けにくい仕様だと思う。
それでもやっぱり気を付けて見てあげることは必要なんだね。
というわけで、スプリングのメンテナンス。
今回は全体的にネジを締め直す作業。
説明書には購入して組み立てた1か月後、その後は1年ごとにその作業をして下さいと書いてある。
それに従って、昨年夏、一周年記念にメンテしたところだった。
それから半年も経っていないけれど、ネジたちはけっこう緩んでいたよ。やっぱり気候かなあ。
緩みによってパーツが傾いていたりすると織機の重さが変な風にそこにかかることになるからね~、良くないよね。
たとえば、こんな感じ。
楕円で囲んだところ、あら~、わずかですが隙間が空いちゃってますね。
写真で見るとわずかだけれど、実際はなかなかです。これはいけないな。
こちらの隙間を詰めるには意外にも
こんなところの金具を締め直す必要がある。近くにそれらしいネジとかが見当たらないから、一瞬あれ?!となる。
組み立てたときの記憶がよみがえって、そう言えば特殊な金具を使っていて、締めるネジは遠いところにあるんだった、と思い出す。
矢印のところにこんな金具があって
左から二番目の工具をはめてぐりぐりと回してあげると
はい、ぴちっと。気持ち良い。
こういう金具は他のメーカーの織機にも普通に使われているのか
ルエ社が家具やキッチンセットなんかも作っている会社だから取り入れているのかは分からないけれど
私の初心者レベルでちょこちょことDIYをしていても、こういう金具を使うシーンはなかなか出てこない。
自分で組み立てたから、あ、締める金具はこっちだったと思い出すけれど、そうでなければ難しかったかも。
そういう意味では、のちのちのことを思えば、そういうことが苦手に思っても、はじめは大変そうに思っても、人任せにせず自分で組み立てておくと良いだろうと思う。
自分で、と言っても、誰かに手伝ってもらっても良いわけだからね。
私は母に手伝ってもらった。
DIYが好きだけれど、それでも正直、パーツが多くて時間のかかる作業を自分だけでもくもくとやればちょっと疲れて集中力が落ちたろうと思う。
ふたりだとワイワイと楽しくやれて、しかも早く済む。
大きな木製のパーツをごっとん、と床に落として傷をつけないで済む。
えっと、もちろん普通のネジもたくさん使われてます。
こういうの、たくさん。あとは蝶ネジとかナットとか、出てきます。
ひとつひとつ締めて行ったら意外とみんなちょっとずつ緩んでたな~。
そんなに時間のかかることじゃないから、たまに見てあげるのがいいね。
ちなみにスプリングは購入して組み立ての際、工具は付属して来るので用意する必要はない。
こういう子たちね↓こちゃこちゃと何点かついてきます。
これらは組み立て終わったら自分の工具箱に混ぜてしまったりしないで、
予備として残るネジやパーツ、そして説明書などとセットで保管することをお勧めします。
今回のようなメンテのときに、合う工具探しから始めるよりずっと楽。
さらに、たとえばドライバーはよく見かける「プラスドライバー」に見えるけれど、
実はちょっとだけ形の違う「ポジドライブ」を使っている。
なんと同じ十字のかたちでも、いわゆるプラスドライバーとポジドライバーって違うのだ。
プラスドライバーは日本で一般的で、ポジドライバーは欧州で一般的なんだって。
ポジドライブのネジにプラスドライバーだって使えるわけだけれど
もちろんちゃんと合った工具であれば、ちゃんと力が伝わりやすい。
付属のドライバーを工具箱に放り込んでしまって、あとでプラスドライバーなのかポジドライバーなのかしげしげと眺める時間を考えると、始めから「スプリング用のセット」として置いてあった方が早い。
おっと、ちと長くなったけれど、メンテナンスにあたって思ったことを書いてみた。
紡毛機も織機もメンテしてあげる度に仲良くなれた感じがして嬉しい。
これからもよろしくね、って気持ちが高まる。
ルエ社のスプリングはこれまでカウンターマーチ機のなかではややレアだったと思う。
それが、昨年出版された2冊の本(『手織りの組織図辞典』と『糸紡ぎのテクニックとデザイン』)にど~んとカウンターマーチとして写真つきで紹介された。
総代理店兼正規輸入販売代理店のKakara Woolworksさんではたしか問い合わせや注文が増えたと書いていたから、本の影響も大きかったんじゃないかな。
スプリングは今、リニューアルしてスプリングⅡになっているそう。
私は使っていて本当に満足なので、改良するところなんてあったのやら?!とびっくり。
ルエ社の情熱がうかがえるね。