表現すること、ショップカードが出来た

こんにちは~、アーティストchiguです。


少し前にちらっと書いたきりになっている、あえて「アーティストchiguです」と冒頭で名乗ること。


以前は「作家です」と名乗っていた。勇気が要った。

この勇気は、自分から生まれ出るものを世に出す人が誰でも必要とする勇気ではなかろうか。

歌を歌う人は、どうなれば「歌手」なのか。

詩人はどうすれば「詩人」なのか。

明確な国家資格があるわけでなし。明確な基準があるわけでなし。

今、自分はそう名乗っても良いのだろうか。誰かに笑われないか。謗られないか。

う~ん、勇気が要るね。


私の結論は、別に誰でもいつでも、名乗って構わないというものだ。

ただし私の場合、「作家なんですね、どんなことをしているんですか」と訊かれたら自分でそれなりに説明できる活動歴があることを前提とした。

どんな作品を作っていて、どう発表してきたか。どこで提供してきたか。

それを具体的に伝えられれば。

さすがに「いや、何も作ったことは無いです」はちょっと言いづらい。

でもこれからそうなろうと言う人がまずは決意表明として勇気を出して名乗ってみるのは良いのではないかと思っている。

そんな勇気と気概があったら、実現できることも多いだろう。


逆に、自分の作ったものをお客様に提供していながら「いや、私なんてまだまだ作家とは言えないです」と言うのは、謙遜と言うより私には無責任に思われ、言わないと誓っていた。

提供すると決めたら、その覚悟は背負った方が良いだろうと。

これは私が感じたことであって、他の人がそうでなくても全く気にならない。

人それぞれだ。


ここ2~3年ほどかな、「作家」と言うのがいささか窮屈になり、その範囲で何かしようとすると身動きできない感覚があった。

自分がどうしてこうしているのか、自分と向き合いずいぶん根っこまで掘っていくまでそれは解消しなかった。

「作家です」がどうも後ろめたくて窮屈だった。


で、ある程度時間をかけて気づいたんだけれど、私にとって「作家」、物を作る作家って、ある特定の技術を追求して高めつつ、その範囲で時に世からのニーズに応えつつ、自己表現も交えていく、というイメージだったんだ。

特定の技術→作る←→(時に)自己表現←→(時に)ニーズへの対応


一方で私は、表現できる方法だったらある程度なんでも良いところがある。

ふと思いついてこれを作ってみようかなと思ったものが、今自分が取り組んでいる技法とぜんぜん違くとも、やりたい。

やれば発表したいものも出てくる。

極端な話をすれば、歌を歌ってもいいし、映像を撮ってもいい。極端に言えばね。


私は写真を撮りたい、文章を書きたい、絵を描きたい。

刺繍が好き、手織りが好き、糸紡ぎも好き。

料理が好き、歌が好き、ギターが好き、ピアノも好き。


自分の中から自然発生的に生まれてくるもの。

それらをのびのびと自由に表現できれば、それがなんであってもいい。


そうか私は表現するってことが大事だったんだな、と気づいて、アーティストです、となった(もちろん、アーティストです、と名乗るのだって勇気が要る。でもそうたいした問題じゃない、今となっては)。

表現することと、その方法。

それだけ。

ただし、何かの技法を使って自己表現をしようと思えば、技術の向上を求めるようになるのは自然だ。

思うような表現が出来るように。

私は刺繍で表現をする。思うようなラインや素材の並びを実現するために、針運びや素材の扱いを向上させたい。

一方で、稚拙でありながらおそろしく人を惹きつける表現というものも数多く見てきたから、技術が全てじゃないと思ってもいる。

私は表現したいものとその方法とを行ったり来たりしながら、出来ることをやっていく。


今はオートクチュール刺繍で、小さな世界に表現している。

それがいずれどう変わっていくのか、私にも分からない。

大切なのは然るべき変化が訪れたとき、恐れないことだ。


私が納得した答えだから、他の人にはまた別の考えや思いがあるだろう。

何事もそうであるように。

今の私には、思い込みやこうあるべきだ、といった制限から自分を解放しておくことが重要。

同時に、他の人に対してもそういう姿勢でいられることも、すごく重要。

誰かに「あなたはこうあるべきだ、××なんだから」を押し付け始めた途端、見えない壁がぎゅーっと迫ってきて、自分も周りの人も、力を奪われる。

その「べき」が一見、正論に聞こえたとしても、正しさに拠りかかって自分が一時的に安心できたとしても。

以前の私はそういう姿勢がけっこう強かったと思う。

何かしらの基準内で正しいってことが、自分の支えになるように思っていたんだろう。


だからこそ、今はニュートラルな視点を意識していたい。

自分のことも、他の誰のことも、閉じ込めて力を奪ったりしないように。

そして、信頼していられるように。


新しいシリーズの発表としてまずはオンラインでの販売を始めてから、ショップカードも作らないとな、と気づいた。

前は当たり前に持ち歩いていたのに。気づくのが遅いな。

で、作った。デザインは自分でして、入稿する。便利だねえ。


こういう作業も久しぶり。楽しい。

このカードに、私の表現の一歩目の情報が詰まってる。

小さいカードなんだけれど。


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