刺繍をしていてふと思ったこと

こんにちは~、アーティストchiguです。

オートクチュール刺繍、手紡ぎ&手織りをしております。

今日も朝から刺繍。

相変わらず長い時間取り組む割には、進みが遅い。

けれど早く効率よく出来ることは、今は大事ではないから良いのだ。

今大事なのはその時その時の感覚を刺繍枠にいかにのせられるか、なのだ。

先ほど刺していてふっと思ったんだけれど

今取り組んでいるこの作品て、今じゃなきゃ出来ないんだな~って。

今、この瞬間て、あらゆる方向から色んなものを積み上げてきたてっぺんのようなもの。


たとえば技術のこと。

何年も前、はじめは自己流、本を見たりした時期もあって

それからオートクチュール刺繍を身につけて

またあちこちで見聞きしたことを自分でも取り入れてみて

そんなことを積み重ねてきたから、今、これを作っている。

根底では金属加工や樹脂の加工なんかも関係しているのかも知れない。

それらが積み重なってブレンドされて、今の私の手がある。


デザインのこと。

そうと意図せずに見てきたたくさんのもの。

よく通ったセレクトショップで見た個性的な衣服たち、

ジュエリーショップの美しい貴金属たち、

アンティークの小物、

たくさんのミュージシャンのミュージックビデオの数々、

公園の草花、動物、美術館、今日のご飯、夜空、写真・・・

そりゃもうもっとたくさんあるんだろうけれど

とにかく、そういったもののごっちゃごちゃの山があるから

今、これを作ってる。


素材だってそう。

長年ずいぶん色んな種類の素材を少しずつ集めてきて今のアトリエがある。

今、この作品の”ここ”にはめるピースがあるのは、その収集のおかげだ。


私自身だって、まあ、そういうものなんだろうし。


ふっと、ああ、今この作品が出来るのは、その年月があるからなんだな~なんて

急に思ったわけ。


若くてフレッシュでエネルギッシュな時に出来ることがある。

そして今になってからではないと出来ないこともある。


若い頃の自分に、そんなことを言い聞かせても理解できなかったろう。

「そう焦らなくても、ずーっと時間が経った後にしか出来ないものもあるよ」なんて。


今、もっと年齢を積み重ねた未来の自分にそう言われたとしても

やっぱりうまく分からないだろうと思う。

この瞬間だけの感覚なんだろうね。


急にそんなことを思ったから記録しておこうと思ってさ。



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