こんにちは~、アーティストchiguです。
オートクチュール刺繍、手紡ぎ&手織りをしております。
ここのところ、機織りと手紡ぎを交互にしている。
手紡ぎはいつもより手間のかかることをしていて、なかなか進まない。
いつもだったら機械できれいに処理された羊毛を買って、割とすぐに紡げるんだけど。
↓きれいに処理された状態はこんな風。機械で洗って、機械で梳いて、繊維の方向を揃えてある。私はこの繊維の方向をあえてごちゃごちゃにして空気を含ませる「紡毛」を紡ぐ。
今回は、羊毛屋さんのスタッフさんが手洗いした状態のものを購入してみた。
羊の毛を刈って、それを手洗いした状態ってこんななんだね。
こちらはポルワスという種類の羊で、ベージュ系の毛。グレーがかって見えるけれど実際はもっとベージュ。
まだ房の状態で、手触りはちょっと脂っぽい。手洗いのほうが脂が適度に残るんだって。
その、ちょっと脂っぽい手触りやにおいがけっこう気持ち良い。
この房をほぐす。
単に地道にほぐすだけだ。ゴミとか短すぎる毛を取り除きながら。
で、これを特殊なブラシで梳いて、くるくるっと棒状に丸める。
いきなり白くなったけど、これは別の白い毛のときに撮った写真だから。
この棒状のものから、やっと糸が紡げる。
・・・いや~、長い時間かかるものだな・・・。
紡いで織る方のなかには、刈っただけの毛を一頭分購入して、自分で部位で分けて手洗いし、さらに染めて紡いで織る方が一定数いらっしゃる。
いわゆるホームスパンね。
工程の長さと時間を考えると気が遠い。すごいなあ。
私はその全部を自分でやることはなかなか難しい。
染色に関しては、私は羊毛を染めない。
天然の羊の色が好き、ということと、糸紡ぎをするなら、あまり熱をかけたりせずに出来る限り自然の風合いのままで使いたいからだ。
今回は手洗いの羊毛がどんな感じなのかを知りたかったのでこうしている。
これからまた手洗い羊毛を使うのかは分からない。
これを紡いで織ったものをどう感じるか、だ。まだ先が長いな~。
とりあえず今は白い毛を先に紡ぎ終わって、そのほわほわ感に嬉しくなっているところ。
繊維が細い羊なので、糸も細い。ブランケットには向かないかも知れない。
大判のショールとか?
考える時間も楽しい。