キャメルの大判ストールを仕上げる

こんにちは~、アーティストchiguです。

オートクチュール刺繍、手紡ぎ&手織りをしております。


先日記事にしたキャメルのストールの仕上げをした。


何度か書いてきたことだけれど、獣毛を織る時、私はものすごくスカスカのガーゼ状態で織る。


1cmに入れる糸の本数を出来るだけ減らして準備するし、織る時もとんとんと打ち込まず、そーっと押す程度にして、緯糸同士のすき間をあける。

織っているときはちょっと不安だ。

縮絨してもあまり縮まなかったらスカスカストールになってしまうな、と。


先日、織りあがったストールの房を撚り、

お湯に浸けて縮絨した。

手触りの変化やどのくらい縮んで目が詰まったかを確かめながらゆっくり押し洗いする。

「これでオッケー!」といった目印も確証もないから、感覚だけが頼りだ。


実は私の乏しい経験では、縮絨してすぐに仕上がりどうこうは良く分からない。

なんとなくガサガサがヌメッとしたな、とか、見た目で起毛して糸同士がよく絡んできたな、といったことが手掛かり。

干して半乾きになってきたころ、触ってみてその手触りの変化にびっくりしたり感動したりする。

ガサガサで到底素肌に巻くことなんて考えられなかったストールが、ふわふわになり、本当に優しい手触りになっている。

ここで初めて「わ~、うまくいった!」とじわっと嬉しくなるってわけ。


目が詰まって模様も分かりやすくなった。

キャメルのナチュラルな色、きれいだなと思う。


最後はこだわりのスチーム仕上げでさらにふわふわに起毛。

これも実をいうと、なんだけれど、私の「こだわりのスチーム仕上げ」がどのくらい効果を出しているのか実感としてよく分からない。

触ってみて「やる前と後じゃ本当に違うよね!!」と確信できるほどの変化は感じられないのだ。

「なんか違うと思う、やっぱり」といった、これも微妙な感覚の世界。

でもやっぱり私は時間をかけてスチーム仕上げをする。

生じるのがわずかな違いであっても、その手間によって獣毛たちがさらに良い仕上がりになるのなら、それは彼らへの感謝をあらわす儀式でもあるのだ。

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