こんにちは~、アーティストchiguです。
オートクチュール刺繍の新作ブローチを制作中です。
たくさんあって先が見えないように思っていても
いつの間にかゴールが見えてきたぞ。
色んなタイプがある。
前にも何度か書いてきたとおり、どうなるかはそのときの自分のなかの流れ次第。
かと言って「今日はご機嫌だから明るいのができた」という程単純でもないが。
私たちは記憶を、時系列と自分の価値観とで
なんとなく自分らしく保持しているんだと思うけれど
一方で、より底の方には整理されることもなく沈んでいった
ごっちゃりした「記憶の断片溜まり」みたいなものがあるんじゃないかな。
ある瞬間、視覚のごく片隅でとらえたきらめくもの、
なんとなく聞いた、どこか遠くから流れてきた音、
夢ともうつつともつかない意識のなかで指先で感じた感触。
ほんのひと呼吸とともにわずかな時間嗅いだ香り。
そういう、意味づけするところまで行かずに、自分の中で通り過ぎて行った感覚。
そんなちっちゃな粒々が、沼の底のあたたかな泥みたいにさ、
意識の底の方に溜まってるんじゃないかな。
パソコンだと定期的にデフラグをかけて
断片化されたデータを整理してすっきりさせられるけど
私たちは溜まったそれらを未整理なまま不器用に抱えて生きている・・・ような気がする。
というか、私たちをひとりひとりならしめている要素の殆どがそういったものなんじゃないかと感じてる。
え~と、なんの話かと言うと、
自分で「自分の中のカオス」って言っているものって、
そういう記憶の断片、粒々の沈んだ沼の底ってことかな~と思った、という話。
で、今回のシリーズはその沼の底におりて行って
その都度すくい上げられるものをそっと表現することを大事にしているので
出来上がったもののモチーフが何か、というのは自分でも分からない。
画像のターコイズがのったブローチも、
なんでこんなの作ったのかな、ってもう思い出せない。
ただ、よく分からないけれどなんだか好き、というのが、ぴったりな言い方かな。